急に片手間で知識が必要になったものの、プラグインとかも開発してるくせに実際のアプリケーション開発レベルの知識が皆無だったので、C&R研究所より出版されている基礎から学ぶ Vue.js (著: mio氏)を読んだ。表紙がかわいい。

- 作者: mio
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2018/05/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以下、読書感想文です。
読むとよさそうな人
- Vue.jsやほかフロントエンドフレームワークを雰囲気で使っている
- とりあえず今選んどけば安泰なフレームワークを知りたい
- なんかVue.jsつらい
- 猫がすき
向いてる用途
- 業務でVue.jsを使うために手早く全体的な知識を注入する
- 一般的な用途とそれに対応するコード片やアイデアを集める
- Vue.jsで何ができるのか知る
できるようになること
- 業務でとりあえずVue.js入れる
- 簡単なアプリを書けるようになる (に相当する機能を網羅できる)
読めない人 (前提知識)
- webpackなどを用いたモダンな開発現場の基礎を知らない人
- フレームワークの発想がわからない人
- HTML / CSS / JavaScriptを業務レベルに書けない人 (ES2015を網羅するまでは不要)
できないこと / 身につかないこと / 向いてない用途
- Vue.jsで高度なアプリケーションを書くためのハマりどころを知る
- Nuxt.jsの使い方を知る (基礎は知れるので十分だけどね)
- Vue.jsのソースコードを読めるようになる、具体的な仕組みを知る
- webpack等プロジェクトに必要な設定を組めるようになる
- TypeScriptで利用する
- Web APIの利用方法など、ビジネスロジックの作り方を知る
感想
期待以上の大変よい本だった。
本自体は終始「Vue.jsの機能をサンプルコードと一緒に紹介」というチュートリアル的な形式だが、ところどころに実際の運用にあたってのアドバイスが挿入されていたり、たとえば序盤でVue.jsのライフサイクルが紹介されていたり、各項目で関連するメソッド等APIが必ず含まれるなど、これから実際に使いはじめ、後々「こうすればよかったのに」という手戻りや後悔が無いよう配慮されていると感じた。
Vuex, Vue Routerの機能紹介も含まれており、この本一冊でアプリを作ることが十分に可能だと感じた。
一方、プロジェクトの構築がVue CLIへ完全にお任せだったりと、セットアップに関する面が手薄い。
またWeb APIの具体的な利用方法がほぼ書かれない (axiosの存在がさらっと話されて当たり前にサンプルコードに出る) など、ビジネスロジックレベルの話はほぼ無い。
これらから、おそらくある程度モダンなWebフロントエンド開発経験が既にあり、新たにVue.jsの導入を検討している開発者を想定している書籍だと感じた。
もし現場の既存システムへVue.jsの導入を検討しているなら、まずは手に取ると良いかも知れない。
集中さえできるなら、5時間もあれば優に読み切れる軽い本だ。
ちなみに、同時に Hello!! Vue.js 最新プログレッシブフレームワーク入門 (著: 那須 理也氏) を買った。重複する部分が大半な中で細かい部分を補い合えるだろう、という想定。次回はこれ。